1) 適地
土質は特に選びませんが、よく肥えた排水の良い土が最適です。野菜の中でも酸性土に最も弱いので、石灰で酸度を矯正しておく必要があります。スギナがたくさん生えるような畑にはむきません。
2) 品種
秋まきでは品種を問いませんが、春まきには西洋種(交配種)を使用します。
秋まき用:次郎丸、アトラス、オーライ、アクティブ
春まき用:オーライ、リード、おかめ
3) 作り方
畑の準備 ホウレンソウは直根なので、1u当たり堆肥3s、苦土石灰150g、BMようりん30gを施し、深くまで耕します。その後、高度化成肥料80gを施し、2条まきでは幅1mのうねを立てます。
芽出し
高温時に種まきする場合は芽出しすると、発芽が早くしかもよく揃います。ガーゼなどにくるみ、一晩流水に漬けまきます。ただし、ネーキッド種子やプライマックス処理されている種子はそのまままきます。
タネまき
まき溝に、種子が乾かないように、先にかん水してからまく方がよいでしょう。条まきでは条間20pで種まきし種子の倍ぐらいの厚さの覆土をします。十分かん水後、表面に2重にした不織布や切りわら、もみがらなどを薄く敷いておきます。不織布は発芽したら取り除きます。
間引き
本葉1枚の頃3〜4p間隔に、本葉3〜4枚の頃再び間引いて7〜8p間隔にします。残暑の厳しい時期には立枯れが出やすいので、時期をやや遅らせて間引きします。涼しい時期では遅れないよう早めに間引きします。
追肥・かん水
ホウレンソウは短期間に生長しますので、肥切れしないように追肥をやります。発芽後15日後1u当たり高度化成肥料を20gぐらい、条間にやり、軽く中耕しておきます。
この時肥料が葉にかからないように注意します。せっかく追肥をやっても、畑が乾きすぎると追
肥の効き方が悪くなるので、時々かん水して肥効を高めるようにします。
防寒対策
厳寒期には寒さや風、雪で葉がロゼット状になるので、寒冷しゃやうね全体にトンネルをかけたり、不織布をうねの上面にべたがけし防寒します。
収穫
大きくなった株から、順次間引きながら収穫していきます。秋まきは長期間畑に置けますが、春まきは一斉にとう立ちしてくるので茎が伸び出す頃には終るように早めから収穫していきます。
4)病害虫防除
ホウレンソウは比較的病害虫の発生は少ないですが、べと病とアブラムシの被害がでることがあります。べと病対策は耐病性品種を使うことと、株間を広くして風通りをよくし、肥切れさせないようにすることです。多発するようであればアリエッティ水和剤(収穫前日まで、2回以内)を散布します。
害虫には寒冷しゃやべたがけ資材の防除効果が高いので、とくに8〜9月まきでは利用しましょう。アブラムシが多発すればDDVP乳剤(収穫14日前まで)やエルサン乳剤(同21日前まで、3回以内)を散布します。