B秋冬野菜は生育の適温期間が短い
夏果菜類は植えつけが多少遅れても気温が上がっていくので問題はありませんが、秋冬野菜は急激に低温期に向かっていきますので、タネまきや植えつけ適期の期間が非常に狭くなります。数日遅れるだけで一人前の大きさにならないこともありますし、早まきすると病害虫の被害が大きくなるので、自分の地域での適期をつかむことが大切です。
C大苗で越冬すると寒害を受けやすい
耐寒性の強い野菜でも大きく育っていると、寒害をうけやすくなります。エンドウ、ソラマメなどは早まきを避けましょう。
土壌と水分
生育を良好に保つためには、土の条件を改善して土中に微生物がたくさん生息するようにし、根を十分に張らすことです。そのためにも、有機物の施用と深耕による「土づくり」や、適正な酸度(pH)を保つことが大切です。
土の水分が不足すると発芽不良や正常な生長が妨げられます。一方、水分過多は、根の伸長を抑制したり病害を助長するなど、やはり健全に生育しない原因となります。
かん水は、植えつけのときにはたっぷりと、その後は土壌の性質や天候によって加減しながらやりましょう。低温期は午前中に行い、高温期では日中を避けて夕方にたっぷりやり、回数を減らします。水はけの悪いところでは、初めから堆肥などを投入して土壌改良しておくことや、高うねにしたり排水溝を手直しするなどして、排水を良くします。
光
光の強さは生長に、日長は花芽分化に関係します。強い光が必要な野菜は密植を避けたり、芽かきや整枝によって受光態勢を良くします。
また、うねを立てる方向によって光の受け方が違ってきます。普通は南北に立てるのが良いのですが、東西に立てる場合は、うねの南側半分が北側半分より生育が良くなるので、生育をそろえるために1条植えとします。さらに、1つのうねに生育の速さと草姿の異なる野菜を植える場合、南側に草丈が大きく、生育の速いものを植えると、北側に植えたものの生育が悪くなります。例えば、アブララナ科の野菜の場合、ブロッコリ−>キャベツ>ハクサイの順に丈が大きくなります。そこで、南側はキャベツ、ハクサイを、北側にはブロッコリ−を植えると、3品目とも良いものを穫ることができます。
光の強さと育ち方
| 光の条件 | 野 菜 の 種 類 |
| 強い光が必要 | ウリ類、ナス類、まめ類、いも類、(サトイモ以外)、ダイコン、スイ−トコ−ン |
| 弱い光に比較的耐えられる | ネギ類、アスパラガス、サトイモ、ショウガ、セルリ−、レタス |
| 弱い光を好む | ミョウガ、ミツバ、フキ |
花芽の分化
茎や葉が生長することを「栄養生長」、花芽ができて開花・結実することを「生殖生長」とよび、栄養、温度、日長といった条件が複雑に絡み合って栄養生長か生殖生長が決まります。したがって、つくりたい野菜が、どのような条件で花芽分化するのかを知って、品種選択や保温などの手だてを考えます。例えば、花芽分化して困る春まきのダイコン、カブでは、抽台しにくい品種を選んで無理な早まきをせず、トンネルやマルチなどで保温したり、大きくならないうちに収穫したりします。また、スイカ、マクワは肥料を多くやりすぎると花芽ができにくくなるので、元肥のやりすぎに注意しましょう。
花芽分化を起こす要因と野菜の種類
| 要因 | 条件 | 野 菜 の 種 類 |
| 栄養 | 過多・過小で障害 | ナス、トマト、トウガラシ |
| 日長 | 長日 | ホウレンソウ、シュンギク |
| 日長 | 短日 | イチゴ、シソ |
| 温度 | 低温:苗の大きさに関係なく種子から | ダイコン、カブ、ハクサイ、エンドウ、タイサイ、ミズナ |
| 温度 | 低温:一定の大きさになった中苗 | キャベツ、ブロッコリ−、セルリ−、ネギ、ニンジン、ゴボウ、イチゴ |
| 温度 | 高温 | レタス、エダマメ |
着果の促進
キュウリは受粉しなくても果実が肥大しますが、その他の果菜類は受粉することが重要です。また、着果の良否は株の栄養状態にも左右されますし、ホルモン剤によって着果を促進したりできます。
@人工交配する
受粉は、風や昆虫などによって運ばれた花粉が雌しべにつくことによって起こります。特に、ウリ科の野菜の受粉は、花をめがけてやってくる昆虫がどれだけ活動するかによります。花が次々と咲くのに天候が悪いため訪花昆虫の活動が鈍いときは、人工交配するとよいでしょう。やり方は、花粉の発芽能力が高い午前7時〜9時ごろの涼しい時間帯に、雄花をとって雌花の柱頭にすりつけるようにして交配します。
A着果ホルモンをかける
低温期や高温期は、花粉の発芽能力がなくなったり低下したりします。トマトでは着果ホルモン剤(トマトト−ン)をかけてやると確実に着果します。濃度は、気温にあわせて50〜100倍で使います。やり方は、第1花房の3〜4花が咲いたとき、早朝、霧吹きで花に散布します。このとき、生長点にかかると生育異常になるので注意してください。
B株の栄養状態を良くする
トマト、スイカ、カボチャなどでは、肥料・水分過多で株が茂りすぎたり、逆に肥料不足で枝先やつる先に花が咲くようになると、着果しにくくなります。元肥を必要以上にやらず、着果を確認してから追肥したり、水はけをよくして根の張りを良くし、株が健全に保たれるようにします。