1) 適地
早生種期は地温上昇の早い軽い土に作られることが多いですが、一般にやや粘質な所を好みます。冬の乾燥の強い所では枯れやすく、収穫期に水はけの悪い所では、腐敗が多くなります。酸性土に弱いので酸度の補正が必要です。
2)品種
早どり品種は、8月頃までおいておくことができますが、腐りやすいので早めに食べるようにします。
早どり用:マッハ、ソニック(貯蔵可能期間:8月末)
貯 蔵 用:O・K黄、O・L黄(貯蔵可能期間:11月末)、赤タマネギ(9月末)
3)作り方
育苗
タネまきの10日程度前に1u当たり堆肥2s、苦土石灰100g、過りん酸石灰40g、高度化成肥料20gを施し、うね幅130p、高さ15pくらいのまき床を作ります。まき床は、苗が取りやすい砂地の方が適しています。
タネまき
条間5〜8pぐらいの間隔ですじ播きにします。薄く覆土し、発芽まで稲わらをかぶせ乾燥させないようにします。タネまきは、早どり品種は9月15日前後、貯蔵用品種は9月20日前後に行いましょう。早まきしすぎて大苗定植すると抽台(とう立ち)しやすくなります。抽台は、植物体の大きさと低温、そして低温にさらされる期間によって決まります。茎の直径が1p以上で、0〜5℃に30〜60日以上遭遇すると花芽の形成を促します。よって、大苗を早植えすると年内に生育が進み、早春には地上部が大きくなり、低温遭遇し抽台してしまうからです。
また、タネまき後、苗をコオロギが食害することがあります。寒冷しゃなどで覆っておくと良いでしょう。
苗床の管理
発芽して本葉2枚くらいの頃、除草と間引きをした後に1u当たり高度化成肥料を20g施します。
畑の準備
植えつけ10日程度前に1u当たり堆肥を2s、苦土石灰を150gを施しておきます。植えつけ1週間前に緩効性肥料100gを施しうね立てをします。うね幅は2条植えで90p、4条植えで130pを基準とします。
植えつけ
苗を取る前日に十分かん水しておき、できるだけ根を切らないように苗取りをします。特に大きな苗や小さな苗を取り除き深植えにならないように、深さ2p程度に植えつけます。条間20p、株間10〜12pとします。また、早どり用品種はマルチ栽培が可能です。マルチに指で穴をあけながら植えていきます。なお、貯蔵用品種にはマルチ栽培はむきません。
追肥
1u当たり高度化成肥料約30gを2回施します。1回目は12月中旬頃、2回目は2月上旬から3月上旬までに施し、浅く中耕しておきます。追肥が遅いと貯蔵中に腐りやすくなるので気を付けましょう。
収穫・貯蔵
地上部が80%程度倒伏した頃に収穫します。2〜3日間晴天が続いた後に抜き取り、半日〜1日乾燥させてから、風通しの良い日陰につるして貯蔵します。左図のように束ねた後、タマネギの間にヒモをくぐらせると落ちにくくなります。
4)病害虫防除
べと病、さび病等が発生します。特に冬から春にかけて、温暖多雨の条件下では多発します。排水に努めるとともに早めに予防的な散布をします。ジマンダイセン(ペンコゼブ)水和剤(収穫3日前まで)などを早めに散布します。
病害虫写真
疫病
さび病
ハモグリバエ/初期
タマネギのセット球栽培(11〜12月穫り) |
品 種:シャルム
作り方:2月下旬〜3月上旬にトンネル内に種を播きます。5月中旬に球茎が 1.5〜2pのものを掘り上げ日陰につるして貯蔵し、8月下旬に定植します。11〜12月にかけて新鮮なタマネギが収穫できます。
施肥量:普通栽培の約60%とし、元肥を重点に施します。
最近は、園芸店でセット球を売っているので利用できます。 |