ブロッコリー(年内〜越冬どり)
 
 
技術体系設定の前提条件                            
1.適応地域       県下全域
2.圃場条件       保水、排水性のよい有効土層の深い壌土または砂壌土
3.輪作体系         麦 →ブロッコリー
4.目標収量       1.2t/10a
5.標準的な作業時間   280時間/10a
6.栽培技術のポイント
   (1)発芽期に徒長させないよう、早めに覆いを取る。      
   (2)高温期の育苗のため病害虫防除に努め、健苗を育成する。
   (3)湿害を防ぎ、根群の発達をよくするため、高畝栽培とする。
   (4)7月上旬から8月上旬にかけて、早生、中生、晩生種を用い、収穫幅を広くするよう考慮する。 

            
7.品種   グリーンコメット (タキイ) 極早生種 定植後 40日収穫

       ハイツ   (タキイ) 中早生種 定植後 65日収穫
       緑 嶺   (サカタ) 中早生種 播種後105日収穫
       グリーンビューティ(タキイ) 中晩生種 定植後 80日収穫
作業内容

作業の種類

     技    術    内    容
播 種 期 早生種 7月上旬  中生種 7月中旬  晩生種 8月上旬
種子の準備  3900粒/10a (コート種子)

播種床の準備
 
セル苗トレイ(128穴)30枚/10a
専用育苗培土 90リットル、バーミキュライト(覆土用)25リットル/10a
なるべくハウス内で育苗する。
 
播   種
育苗培土を均一に充填し、潅水する。
専用鎮圧機使用し、培土に播種穴をあける
セル苗用播種機(目皿振動方式・手動)で播種。
播種後バーミキュライトで覆土(3〜5mm程度)

育苗管理



 
トレイの底を空気にさらし根鉢形成を促すため、トレイは地面
から5cm以上離す。
発芽まで寒冷紗等で日覆する。
1割程度の発芽をめどに、日覆を除去する。
培土を乾かさないようこまめに灌水を行う。
播種後20日頃、葉色の退色を見て液肥500倍程度を潅水す
る。

定植準備
定植2週間前までに、堆肥や苦土石灰を施して耕起する。
好適pH範囲 6.0〜7.0
酸性土壌ではモリブデン欠乏がおこり易く、pHが高いとホウ素
欠乏がおこり易い。


肥料設計例


 



肥料設計例


 


肥料設計例(kg/10a)

肥 料 名
 

全量
 

基肥
 

追肥1
 

追肥2
 

成 分 量











 

堆きゅう肥
鶏   糞
BMようりん
苦土石灰
CDUタマゴ化成
燐硝安加里

 

 


3000
300
 40
120
120
 70

3000
300
 40
120
120
 






  40






  30


15


14
11


12


14
7


6


14
10
合  計40
 
33
 
30
(注)極早生では追肥2は不要
定   植  畦巾 135cm 株間 40cm 2条植(3500株/10a)
本葉3〜4葉(播種後20〜23日)

管   理

 

高温乾燥期の定植となるため、定植後活着までは灌水につとめ
その後は天候によって畦間灌水を行う。
生育中期からは降雨後の排水をよくする。

台 風 対 策


 

葉ずれで細菌病が発生し易いので、台風通過後ただちに銅剤で
病害予防を行う。表土が雨でたたかれ固くしまったときは、浅
く中耕する。
草勢が弱ったときは液肥や硫安の施用で回復を図る。

追   肥








 

初期には窒素とリン酸を充分に効かせる。
花芽分化から出蕾までの間に、加里が不足すると茎葉の成長が
抑えられ、花蕾の肥大が不良になる。
(第1回追肥)
 定植後約20日で施し、土寄せを行う。
 特に初期生育を促進させることが大切で、早生種は花蕾がで
 るまでに、充分に株を張らすことが必要である。
(第2回追肥)
 定植後約40日で施す。
 
病害虫防除 病虫害名    薬 剤 名     希釈倍率等

軟腐病     銅水
黒腐病     同上

根こぶ病    ネビジン粉      20〜30kg  畝施用

ヨトウムシ類     DDVP乳       1000倍  
        トアローCT水      1000倍
        エルサン乳       1000倍

コナガ     パダン溶       1000倍
        アタブロン乳      2000倍
        アディオン乳      2000倍
        トアローCT水      1000倍

ネキリムシ     ネキリトン粒       2〜3kg   株元施用

アブラムシ     DDVP乳       1000倍
        デプテレックス乳     1000倍
収   穫 主茎に大きな頂花蕾が出来るが、花蕾の頂部がバラついてきた
り、蕾が肥大して黄変したりする前に収穫する。
茎を12〜15cm付けて切りとり、葉は花蕾の面と同じ程度
の高さに切りそろえる。