キャベツ            
 
 
技術体系設定の前提条件
1.適応地域        県下全域
 
2.圃場条件        排水、保水性のよい肥沃な土壌
 
3.輪作体系        小麦+キャベツ
 
4.目標収量          5 t /10a
 
5.標準的な作業時間    120時間/10a
 
6.栽培技術のポイント
   (1)生育期間を通じて、病害虫防除を徹底する(特に発生初期の防除)
   (2)若苗を定植し、初期生育を促進する
   (3)省力化と良好な活着を得るためセル苗を利用する
 
7.品種 10月穫り 
       YR早どり錦秋(増田採種場)
        萎黄病に強く、外葉は濃緑色で開張気味。
        熟期は中早生で、一般地では夏まき年内どりが適する。
      11月穫り
       YR錦秋(増田採種場)
        萎黄病に強く、外葉は濃緑色で開張性。
        熟期は中生で、一般地では夏まき年内どりが適する。 
      12月穫り
       YR泰山(石井育種場)
        萎黄病に強く、球色は濃緑色で玉の尻まで青い。開張性。
        低温肥大性に優れ、夏まき年内とりに適する。
      年明け穫り
       寒太鼓(石井育種場)
        萎黄病に強く、耐寒性にすぐれる。晩抽性で、低温肥大性にすぐれる。
        夏まき年明け穫りに適する。
 
作業内容                              

































 

作業の種類

     技    術    内    容

播 種 期


 

10月穫りは、7月5日〜12日
11月穫りは、7月13日〜20日
12月穫りは、7月21日〜30日
年明け穫りは、8月1日〜10日
種子の準備
 
年内穫りは、10a当たり5000粒   *いずれもコート種子
年明け穫りは、10a当たり4000粒   を利用した場合
播種の準備




 
年内穫り
 トレイ(144穴、30枚/10a必要)
年明け穫り
 トレイ(144穴、27枚/10a必要)
育苗培土はセル苗専用培土を使用する。(144穴、4g/1枚)
自動播種機及び手動式専用播種機で播種する。
播種


 
トレイに培土をつめて穴開け器で穴を開け、1穴1粒まきとする。
その後種子が隠れる程度にバーミキュライトで覆土し、十分に潅水す
る。
播種後3日で発芽不良が認められる穴には追まきする。
育苗管理










 
トレイは根が地面に挿さないように、5p以上地面から離し、
設置する。
播種〜定植10日前までの晴天日には午前10時頃から午後3
時頃までの間寒冷紗で遮光する。
潅水は噴霧潅水とし、量はトレイの底から水滴が落ちる程度で
原則として午前中に行う。また、回数は土の乾き具合によって
1〜3回/1日とする。
追肥は播種後20日目から1〜2日おきに液肥(1000倍)を施
用する。
黒斑病の予防のためダコニールF水1000倍を散布し、過湿
を避ける。
育苗日数は約25日で本葉2.5〜3.0葉に仕上げる。
定 植 準 備

 
ほ場が乾いているときをねらって、定植1週間前までに
耕運しておく。
 

































 







































 

作業の種類

     技    術    内    容






















 

年内穫り用肥料設計例(kg/10a)







 
肥 料 名
 
全量
 
基肥
 
追肥
 
追肥
 
成 分 量






 
完熟堆肥
苦土消石灰
BMようりん
BM有機1号
燐硝安加里S604
3000
100
 40
150
 70
3000
100
 40
150
 10




30




30



20
11


8
15
7



18
10
     合       計313028

年明け穫り用肥料設計例(kg/10a)







 
肥 料 名
 
全量
 
基肥
 
  追肥成 分 量






 
完熟堆肥
苦土消石灰
BMようりん
BM有機1号
燐硝安加里S604
3000
100
 40
150
100
3000
100
 40
150
 10




30




30




30



20
16


8
15
10



18
14
     合       計363332

基肥の燐硝安加里S604は待肥として施用する。
 

 

畝立 畝幅135〜140cm


 定  植



 

年内穫り
 株間35cm、条間60p、2条千鳥植え、4000株/10a
年明け穫り
 株間40cm、条間60cm、2条千鳥植え、3500株/10a
本葉2.5〜3.0枚の若苗を浅植えにし、定植後十分かん水する。
 

ほ 場 管 理



 

雑草防除   
 定植前にクレマートU粒剤(4〜5s/10a)を散布するか、
 または定植後にラッソー乳剤(150〜200ml/10a)を散
 布する。
 







































 




































 

作業の種類

     技    術    内    容










 

追肥
 1回目(定植15日後)
  条間に施用する。葉にのらないように施用する。
    追肥後、条間を中耕する。
 2回目(結球始め)
  結球始めは最も肥料を必要とするので、この追肥は遅れな
  いようにする。

 年明け穫りの場合は生育期間が長いので、追肥を3回行い、
 肥切れを防ぐ。  

病害虫防除
















 

病害
 べと病・黒斑病 ダコニールF水       1000倍
 軟腐病     カスミンボルドー水     1000倍
 黒腐病     オリゼメート粒        6〜9s

害虫
 コナガ      アタブロン乳       2000倍
          トアローCT水      1000倍
          ノーモルト乳       2000倍
 アオムシ     DDVP乳        1000倍
          ディプテレックス乳    1000倍
 ヨトウムシ    エルサン乳        1000倍
          ランネート45水     1000倍
 タマナギンウワバ DDVP乳        1000倍
          ランネート45水     1000倍

特にコナガは同じ種類の薬剤を連用すると抵抗性がついてくる
ので、違う種類の薬剤をローテーションさせて使用する。

収   穫


 

完全に結球したものから順次収穫する。
1個重量1.5s前後を目安とする。