いんげん
技術体系設定の前提条件
1.適応地域 県内全域(6月上旬播種は夏期冷涼地に限る)
2.圃場条件 壌土〜砂壌土 有機質に富み保水、排水の良い圃場
3.輪作体系 水稲―インゲン―水稲
4.目標収量 1.5t/10a
5.標準的な作業時間 657時間/10a
6.栽培技術のポイント
(1)雑草防止、乾燥防止、病害虫の発生防止と莢への泥はね防止をかねてマルチ栽培とする。
(2)風等による倒伏を避け、作業性と曲がり果を少なくし上物率を向上させるために支柱を立て、誘引線を張る。
(3)莢が収穫遅れとならないように1日おきに収穫する。
(4)収穫調整のピークを避けるために、数回に分けて播種する。
7.品種
品種名 セレモニー(タカヤマシード)
解説 矮性(つるなし)、すじなし、丸莢の早生豊産種。莢は濃緑で莢の長さは12cmくらいで柔らかく曲がりが少ない。草丈は50cmで播種後55日位で収穫期に達する。
品種名 ライトグリーン(トーホク)
解説 矮性(つるなし)、すじなし、丸莢のやや早生豊産種。莢の長さは10〜13cmくらいで、まっすぐで曲がりが少なく、濃緑色で光沢がよい。草丈は50〜55cm播種後55日前後で収穫可能な中早生豊産品種
品種名 ナール(タカヤマシード)
解説 矮性(つるなし)、すじなし、丸莢で着莢の良い早生豊産種。莢は濃緑であるがセレモニーに比べてやや劣る。莢長10〜11cmでS、M規格品が良く揃う。莢が8cm位から伸長速度が緩慢となり、また子実の肥大が緩慢なので一斉収穫が可能である。
作業内容
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作業の種類 |
技 術 内 容 |
播 種 期
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生育は冷涼な気候を好み、生育適温は15〜25℃で発芽は20℃前後が適温となる。生育の最低温度は10℃で、それ以下の低温になると生育は抑制される。30℃以上になると、不稔花粉の増加により落花が多くなる。
普通栽培
4月下旬から5月下旬に直播する。トンネルをかける等の保温を行うと発芽が良く揃う。夜温30℃以上になると落花、落莢が多くなるため6月上旬〜7月上旬播種の播種の場合は夏期冷涼地に限る。
抑制栽培
7月中旬から8月中旬までに播種する。それ以降は霜害が予想されるので避ける。 |
種子の準備 |
10a当たり4リットル準備する。 |
播種準備
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土壌の適応性は広く、土質は余り選ばないが、土壌病害(イ
ンゲン根腐れ病等)の発生や減収するため、連作は避ける。播
種1週間前までに堆肥と元肥を施用し深く耕す。耕うん後、畝
幅1.3mに畝立てをし畝上を整地する。
雑草防止、病害虫の発生防止と莢への泥跳ねを避けるために
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作業の種類 |
技 術 内 容 |
播種準備
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穴あき黒マルチをかける。高温時には地温上昇を抑え、アブラ
ムシの防除を兼ねてシルバーマルチを用いる。
酸性土壌には適さないので土壌pHが5.8〜6.5前後と
なるよう石灰資材で酸度矯正を行う。
肥料設計例(kg/10a) |
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肥 料 名
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全量
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元肥
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成 分 量 |
| N | P | K |
堆肥
苦土石灰
ようりん
BM有機1号
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1000
120
40
80
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1000
120
40
80
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10.4
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8.0
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9.6
| (注)1.マルチ栽培のため全量元肥とし追肥は施用しない。
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播種
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株間30cmの2条植で、1穴に2粒づつ播種して2本立ちとする。播種深は1〜2pとし、タネバエ防除のため植え穴にダイアジノン粒剤1〜2gを施用する。
ナールを用いて一斉収穫を行う場合は、株間10〜15cmの2条植えで、1穴に1粒播種として1本立ちとする。 |
管 理
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インゲンは倒伏すると曲がり果が多く発生する。倒伏しないように、2mに1本の割合で支柱をたてて誘引線を張り株を誘引する。
乾燥に弱く、水分が十分でないと開花数が減少し、収量が減少する。逆に過湿では生育不良となるので過乾燥時には短時間の畦間潅水を行う。 |
病害虫防除
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炭そ病 ジマンダイセン水 400〜600倍
オーソサイド水 400〜600倍
さび病 ダイファー水 400〜600倍
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作業の種類 |
技 術 内 容 |
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菌核病 スミレックス水 1000〜2000倍
トップジンM水 700〜1000倍
ベンレート水 1000〜1500倍
スミレックス水 1000〜2000倍
ロニラン水 1000〜1500倍
アブラムシ類 ダイシストン粒 4〜6kg
エカチンTD粒 〃
エルサン乳 1000倍
マラソン乳 1000倍
フキノメイガ スミチオン乳 1000倍
サイアノックス乳1000倍
タネバエ ダイアジノン粒 4〜6kg
カルホス粉 4〜6kg
カメムシ スミチオン乳 1000倍
エルサン乳 1000倍
バイジット乳 1000倍
ハダニ類 ケルセン乳 1500〜2000倍
テデオン乳 500倍 |
収 穫
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開花後10〜13日目から収穫を始める。子実の膨らみが莢の外からわからない細くすらっとしたタバコの太さ程度の若莢を収穫する。
収穫は莢が収穫遅れとならないように2日に1回は行う。
ナールの一斉収穫を行う場合は、満開後25日頃の収穫が収量、品質面で適する。
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