かぼちゃ
 
技術体系設定の前提条件                           
1.適応地域      山間地を除く県下全域                
                                       
2.圃場条件      耕土が深く有機質に富む排水良好な砂質壌土または壌土
                                       
3.輪作体系      かぼちゃ→秋冬野菜                 
                                       
4.目標収量       2500kg /10a                                                       5.標準的な作業時間   230h /10a                  
                                       
6.栽培技術のポイント                           
   (1)有機物を多施用し、深耕して土つくりに重点をおく                                 
   (2)吸肥力が強いので着果するまでのチッソ過多をさける。
 
   (3)水田での栽培は排水対策を十分に取る。
 
   (4)黒マルチの実施により初期生育促進と雑草防除を図る。
 
   (5)初期生育を進め、目標蔓数を早期に確保する。(1200本/10a)
 
   (6)開花後35日の完熟出荷を行う。
 
7.品種   品種名 えびす(タキイ種苗)
       解説  果肉が濃黄色で厚く、カット販売に適する。肉質は、やや粘            質がかった粉質で、食味良好。登熟日数は、開花後32日。
 
 
作業内容






































 

作業の種類

     技    術    内    容

播 種 期

3月下旬〜4月上旬

種子の準備

2〜3dl/10a

播種床の準備






 

 ビニールパイプハウス利用、無加温育苗とする。
 育苗用土は、田土:堆肥を1:1で混合し、本ぽ10a当り
300l準備する。は種1ヶ月前に、化成肥料(100l当り
8・6・8粉5kg)、苦土石灰(100l当り 5kg)を
施し、土とよく混合し仮積みしておく。使用10日前に切り返
しを行う。
 は種の4〜5日前にはトロ箱に床土を入れておき、ハウス内
にトンネルをして地温を上げておく。

播   種






 

 30℃の温湯に一昼夜浸種し、軽く水分を取った後、トロ箱
には種する。条間6cm、株間1.5cmのスジまきとしまき
溝と直角になるようにまく。
 発芽するまでは、昼温35℃を上限に、夜間はできる限り保
温に努める。
 発芽をはじめたら日中25〜28℃、夜間は17〜18℃。
 発芽後は、日中23〜27℃、夜間は、16℃になるように
保温と換気に努める。

鉢 上 げ








 

 育苗日数は30〜35日のため直径10cm以上のポリ鉢を
350鉢準備する。
 移植の4〜5日前には鉢に土入れを終了し、ハウスに並べ地
温を上げておく。
 双葉が十分展開したらていねいに堀取り移植する。
 活着するまで(3〜4日)日中27〜28℃に管理する。
移植後、本葉2〜3枚までは夜間12℃、それ以降は8℃とす
る。日中は25℃を目標に管理し、徐々に順化して外気に馴ら
す。
 苗が大きくなるにつれズラシを行い太陽光線を充分あてる。

土つくり

 

水稲収穫後、10a当たり堆肥2tを施し、深耕畝立てし土の
風化を促す。
 






































 





































 

作業の種類

     技    術    内    容

施肥・整地



 

 定植1ヶ月前に、苦土石灰、BMようりんを施し全耕する。
 定植の10日前には、基肥を畝の中央2m幅に散布して土と
混和し、うね幅3mの高うね(カマボコ型)にする。待肥は、
畝上整地時に施用し軽く混ぜ合わせる。軽い降雨を待ち、定植
3〜4日前に1.8m幅の黒マルチをかけておく。

施肥設計











 

肥料設計例(kg/10a)











 

肥 料 名
 

全量
 

基肥
 

待肥
 

追肥
 

 成 分 量











 

 堆  肥
 苦土石灰
BMようりん
 IB化成
 NK化成
燐硝安加里
  S604
 

2000
100
 40
 60



 

2000
100
 40
 60



 







 20
 





20


 




10
3.2

3.2
 



8
10


2
 




10
4.0

3.2
 

定 植




 

5月上旬  本葉4〜5枚の苗を晩霜に注意し植える。
栽植密度  株間1mの1条植とする。約300株/10a
 定植は温暖な日を選び、強風、低温時は避け、午後2時頃ま
でに終了する。地温15℃以上が望ましい。
 定植前に苗は前もって充分潅水、定植時は根鉢がくずれな
ようにていねいに浅植えする。

排水対策
 

 梅雨の長雨時にほ場に水が溜まると、疫病が発生しやすいの
でほ場周囲の排水対策を充分に行う。

整  枝



 

 定植後、本葉6枚を残して早めに親づるを摘芯し、子づるの
発生を促す。
 勢いの良い子づるを4本残し、他の子づるは早めに元から取
る。
 





































 







































 

作業の種類

     技    術    内    容

敷 わ ら


 

 子づるが30〜40cm伸びはじめたら、マルチの上に薄く敷わらを行い、つるを配置する。一度に全面に行わずつるの伸長に合わせて順次行う。敷わらがない場合は、キュウリネットを利用してもよい。

交配と着果





 

 1番果の目標着果節位(8〜10節)までの孫づると雌花は早めに除く。 低節位での着果は小玉、低品質となるので、1番果は8〜10節に一斉に着果させるようにする。 6月中旬になれば訪花昆虫も多く人工交配の必要はないが、低温、降雨が続く場合や樹勢が強い場合は早朝(7〜8時)に交配する。

追   肥

1番果の着果が確認できれば(こぶし大)追肥を行う。

玉 直 し
 

着色向上と果皮を美しく仕上げるため着果すればフルーツ枕を果実下に敷く。着色がすすんだら玉直しを行う。

摘   心
 

1番果の着果を見とどけ、うねいっぱいにつるが達した時点で摘心を行う。

除   草
 

マルチ外の通路等の除草は、茎葉処理剤を周囲に気をつけ散布する。

病害虫防除





 

疫   病 ダコニールF水    1000倍うどんこ病 トリフミン水     3000倍      モレスタン水     2000倍ベ ト 病 ダコニールF水    1000倍アブラムシ ダイシストン粒    2〜3g/1株 定植直前      DDVP乳      1000倍ウリハムシ ディプテレックス乳  800〜1000倍

収穫・調整



 

開花後30〜40日を目安に果梗の亀裂が生じた完熟果を収穫する。果梗を短く切り戻し、下を向けて切り口を乾かしてから出荷する。