夏穫りスイ−トコ−ン
技術   体系設定の前提条件
 
1.   適応地域       県下全域
 
2.   圃場条件       水田(湿田不可)、畑
 
3.   輪作体系       夏穫りスイ−トコ−ン → 抑制スイ−トコ−ン
 
4.   目標収量       1,000kg / 10a
 
5.   標準的な作業時間   83 時間   / 10a
 
6.   栽培技術のポイント
 
      (1)排水対策を十分に行う。
      (2)収穫適期が短いので、穫り遅れないこと。
 
7.品種   品種名 カクテルE−51(タキイ種苗)
       解 説 バイカラ−品種。先端不稔が少なく、粒が大きい。
           低温時の肥大が比較的よい。
 
       品種名 ピ−タ−610(サカタのタネ)
       解 説 バイカラ−品種。先端不稔、先端偏平が少なく、太りもよい。
 
作業内容






































 

作業の種類

     技    術    内    容












 


播 種 期
 

トンネル+マルチ         3月下旬〜4月中旬
マルチ あるいは 不織布べた掛け  4月中旬〜5月上旬
露地               4月下旬〜5月中旬

種子の準備

10a当たり 8,000粒  (1穴2〜3粒まき)

定 植 準 備




























 

 発芽を良くするため、土はできるだけ細かく砕く。

トンネル栽培


マルチ〜
   露地栽培




   
マルチ張り:透明除草剤封入マルチ(95cm幅)を利用する。
       たねまき5日以上前に、畝の表面を滑らかにし
       土と密着するようにマルチを張る。
トンネル掛け:マルチを張った後、トンネルを掛けて地温を上
       げておく(0.02mm×180cm)。

肥料設計例               (kg/10a)





 







 

肥  料  名

全量

基肥

追肥

追肥

成 分 量







 

完 熟 堆 肥
苦 土 石 灰
CDU S600
燐硝安加里S604
 

2000
 100
  80
  90
 

2000
100
 80
 30
 




30
 




30
 



13
15
 



8
9
 



8
13
 
 







































 

作業の種類

     技    術    内    容

播   種
 

条間45〜50cm、株間27cm。1穴2〜3粒ずつまく。
播種機を利用することもできる。

管   理
































 

除 草:不織布〜露地栽培では、播種後、雑草発生前に除草剤
    を散布する。1〜2日後の天候にも注意し、大雨の降
    りそうな時は見合わす。

      サタ−ンバアロ粒剤   6kg/10a
 または  サタ−ンバアロ乳剤 800ml/10a
      (水100リットルに溶かして散布する)

不織布:播種、除草剤散布後に不織布(120cm幅)をかける。

トンネル管理:たねまき後7〜10日で発芽する。その後は、
       トンネル内温度を25〜30℃に管理する。
       4月下旬以降、トンネルに穴を開けて温度調節
       する。
       トンネルはスイ−トコ−ンの葉が触れる(5月
       中旬)まで掛けておく。

マルチ除去:葉数5〜6枚時に取り除く。マルチの中央をカッ
      タ−ナイフで切り離し、1条ずつ取るとよい。

不織布除去:葉数4〜5枚時に除去する。

間引き:葉数3枚までに、生育の良い株を残し、他をハサミで
    切りとる。
    分げつは取らずに残す。分げつの葉が親茎の活動葉を
    陰にする場合には分げつ茎の中間で切り落とす。
    なお、除房はしない。

追 肥:1回目/葉数5〜6枚時 条間に施す。葉にのらない
        ようにやること。追肥後、軽く中耕し、土寄
        せをする。深く中耕すると根を切ってしまう
        のでマイナスになる。
    2回目/雄穂抽出期 畝の肩に施す。
 

病害虫防除



















 

害虫:アワノメイガ、アワヨトウ

 雄穂に産卵されることが多いので、出穂する前から雄穂にか
かるように葉の中へ散布する(デナポン粒剤)。
 絹糸(めしべ)が出てからは、雌穂を中心に、株全体にかか
るように散布する。

  パダン水溶剤     700倍
  パダン粒剤4    4〜6kg トップドレッシング
  デナポン粒剤    4〜6kg 雄穂出穂前葉中へ
  トレボン乳剤    1,000倍
 抑制栽培では栽培初期から発生するので、葉数4〜5枚時か
ら防除する。

害虫:アブラムシ

 高温乾燥時に発生が多い。発生初期を逃さずに防除する。

   エルサン乳剤    1,000倍  
   アリルメ−ト乳剤  1,000倍
 

 収  穫



 

 絹糸が出て、約25日で収穫適期になる。絹糸が黒くなった
ら試し穫りし、適期を逃さず収穫する。
 適期は、先端粒まで肥大し、かつ種皮が硬くならない時期。
収穫適期は短いので、穫り遅れないこと。
 鮮度を上げるため、早朝収穫が望ましい。

後 始 末

 

 茎が緑色のうちにロ−タリ−耕を行うとすき込みやすい。枯
れてから耕運すると、うまく茎が切れない。