ほうれんそう
 
技術体系設定の前提条件
1.適応地域        県下全域
 
2.圃場条件        土壌適応性は広いが、排水良好な砂壌土が適する
              至適PH6.0〜6.8
3.輪作体系        ほうれんそうーきゃべつ  きゅうりーほうれんそう
              ほうれんそうーねぎ    とまとーほうれんそう
4.目標収量        2000kg/10a
 
5.標準的な作業時間    294時間/10a
 
6.栽培技術のポイント
   (1)有機物を十分に施し、葉肉の厚い日持ちの良いほうれんそうをつくる。
   (2)播種時期に応じた品種を選ぶ。
   (3)収穫可能量に応じ、段階的に播種する
 
7.品種   3月〜4月 品種名 アクティブ(サカタ)
             解説  剣葉の晩抽性品種で萎凋病に強く、べと病に抵抗性をもつ。立性で株張りがよい
       8月〜11月 品種名 アトラス(サカタ)
             解説  草姿は東洋種と西洋種の中間型で草勢が強くまた暑さにも強く作りやすい。べと病抵抗性
       11月以降 品種名 ソロモン(サカタ)
             解説  草姿は立性で葉先が尖っている。べと病抵抗性で耐暑、耐寒性に富む
作業内容






























 

作業の種類

     技    術    内    容

播 種 期
 

3月初旬〜4月中旬(3月中旬までトンネル被覆)
9月上旬〜11月中旬(12中旬以降トンネル被覆)

種子の準備

10a当たりシードテープ4000m(株間4cmで種子2g)

ほ場準備




















 

堆肥、石灰、ようりんを散布し耕運砕土をおこなう
施肥例を参考に施肥を行い、耕運し畝巾120cmに畝立てを
する
畝上に待ち肥を施用し丁寧に整地する

肥料設計例(10a/kg)










 

肥 料 名
 

全量
 

基肥
 

追肥
 

追肥
 

成 分 量










 

堆   肥
苦土石灰
ようりん
野菜有機s282
燐硝安加里

 

3000
120
 40
140
 20

 

3000
120
 40
140
 20

 





待肥

 







 




17
3

 



8
11
1

 




17
3

 
(註)1.*基肥の燐硝安加里は待肥で整地前に施用する
(註)2.*栽培時期が高温時には施肥量を減量する。
   (時期別標準施肥量・各成分kg)
          春・秋まき  N 20 P 20 K 20
          夏播き    N 12 P 15 K 12
 






























 







































 

作業の種類

     技    術    内    容

播   種





 

畝が乾燥している時は、播種前日に十分潅水し畝に水分をもた

シードテープ用の播種機で条間15cm、深度1cmに播種す
る。播種時の畝の状態や播種深度が不揃いになると発芽とその
後の生育むらとなるので注意する。
播種後ラッソー乳剤150mlを全面に加圧散布し、不織布を
べたがけする。

播種後の管理












 

発芽揃い後、べたがけ資材を取り除く
天候の都合により、以下を目安に水管理をおこなう 
(水管理の目安)
    
 畝立て 〜播種充分に水分をもたす
    
 播種  〜発芽畝の表面が乾かないように潅水する
    
 発芽  〜本葉4枚潅水を控える
    
 本葉4枚〜草丈15cm適湿を保つ
    
 草丈15cm〜収穫潅水を控え日持ちの良いものにする
    

トンネル管理







 

 春先は播種後5℃以下の時はトンネルを密閉し、発芽したら
すそ換気を行いトンネル内を15℃ 〜20℃に管理する。
 冬は12月中旬頃から被覆を行うが、晴天時には、トンネル
内の気温が上がりすぎるので注意する。
 5月中旬以降の収穫では、高温時の雨で品質低下があるので
雨よけとしてのトンネルを行う。
 晩夏まきでは、ビニール+シルバータフベルで2重被覆する
ことで播種時期を10日程度早められ、有利な時期の出荷がで
きる

追   肥
中   耕

 

 栽培期間が40日以上の長期になる時期には播種後30日を
過ぎた頃に燐硝安加里を20kg条間に追肥する。雨、潅水な
どで畝上がしまったら、軽く中耕を行いしまりをなくす
 



































 

作業の種類

     技    術    内    容

病害虫防除





















 

 苗立枯病     土壌消毒
 立枯病      種子消毒
 株腐病      播種時または発生初期に土壌かん注
           タチガレン 液 1,000倍 3g/u
           バシタック 水 1,000倍 3g/u
           モンカット 水 1,000倍 3g/u
           レンパレン 水  800倍 3g/u
 べと病      種子消毒
          薬剤散布
           アリエッティ  水 1,500倍
           サンドファンc 水 1,000倍
 アブラムシ    薬剤防除
           DDVP 乳50 1,000倍
           エルサン 乳  1,000倍
           マラソン 乳  1,000倍
           除虫菊  乳  1,000倍
 ヨトウムシ    薬剤防除
 ハスモンヨトウ   DDVP   乳50 1,000倍
           エルサン   乳  1,000倍
           アグロスリン 乳  2,000倍
 シロオビノメイガ 薬剤防除
           DDVP   乳50 1,000倍
           エルサン   乳  1,000倍

収   穫







 

 草丈23cm〜25cmを目安に収穫する。収穫は引き抜き
または鎌で根を3cm程度つけて刈り取り収穫する。収穫後方向
を揃えて、コンテナに詰め調整場所へ運搬する。収穫後のしお
れをなくすためシルバーポリなどでコンテナの被覆を行う。
 調整は子葉と変色した下葉を取り除き、根を2cmに切りそ
ろえ200g以上をプラスチックフィルムの袋につめて30袋
を段ボール箱に立て詰めする。