すいか (トンネル栽培)
 
技術体系設定の前提条件
1.適応地域       県下全域
 
2.圃場条件       保水排水ともによく耕土の深いほ場
 
3.輪作体系       すいか+秋冬野菜
 
4.目標収量       5t /10a
 
5.標準的な作業時間   288時間 /10a
 
6.栽培技術のポイント
   (1)苗は購入苗(本葉4枚)を使う。
   (2)高畝にして湿害を防ぎ根張りをよくする。
   (3)トンネル被覆中は高温にならないように温度管理に注意する。
   (4)つるぼけを防ぎ、着果数は1株3〜4果とする。
   (5)病害虫防除は予防に重点をおき計画的に行う。
 
7.品種  品種名 朝ひかり(萩原農場)
      解 説 比較的低節位でも変形果少なく、着果・玉ぞろい優れる。
          果皮・果肉とも色濃く鮮明で肉質はシャリがあり、糖度も高い。
 
作業内容

作業の種類

     技    術    内    容
荒畝づくり畝幅4m、溝幅60cm、溝の深さ20〜30cm 
 溝切りをして排水をよくしておく。
石灰とようりんを施しよく耕運する。
元肥の施用
肥料設計例 (kg/10a)
肥料名   全 量 基 肥 追肥 玉肥    成分量
苦土石灰   120 120       N  P  K
BMようりん  40  40      19.0 21.6 25.8
CDUたまご  40  40
燐硝安加里   70  20 30 20
硫酸加里    20  10 10
油 粕     60    60
中畝つくり荒畝の中央130cm幅に元肥を施し中畝として盛り上げる。
定植準備  





 
マルチ被覆  農ポリ 厚さ0.02mm、巾135cm
       中畝の土が少し湿った状態でマルチを張る。
植え穴あけ  畝中央に株間80cm・直径15cmの植穴をあける。
トンネルかけ 農ポリ  厚さ0.03mm、巾180cm
       トンネル支柱 長さ210cm、400本
       定植前にトンネルを張り、地温を高める。
苗購入    300株/10a
定植




 
定植時期   4月下旬
       晴天、温暖な日を選ぶ。
根鉢をくずさないように前もって潅水しておく。
ダイアジノン粒剤を1穴に1〜2g混和する。
やや浅植えにし、鉢土と畝土がなじむようていねいに植える。
定植後0.5g/株潅水する。
温度管理






 
定植後3日間最高35℃まで
 定植後3日間は活着促進のためトンネルは密閉するが、35
 ℃以上になる時は換気する。
活着から子づる発生期まで最高30℃まで
 定植3日以後は株と株の間のトンネルに小さい穴を開け、温
 度を調節する。
子づる本葉1枚以後最高25℃まで
 トンネルの穴の数を増やして換気する。
摘心親づる本葉5〜6枚で摘心する。晴天の日に行う。
台木双葉除去
 
摘心のとき台木の双葉をとる。
 

子づるの整理

 

わらを30p位に切って株もとに敷く。
子づるが30p位のときによくそろった5〜6本を残して他は
つみとる。
トンネル除去子づるが60p位の時
畝なおし及び
追肥
 
中畝のマルチの両側をまくりあげる。
1回目の追肥を畝の両側全面に施用し耕運する。
中畝と外畝の接地部分に土塊がよらないように気をつける。
マルチ及び
 しきわら
 
黒マルチ 厚さ0.02o 巾135p
外畝にマルチを敷き、その上にしきわらをする。
しきわらが飛ばないように竹串やビニールテープでおさえる。
整枝

 
子づる5〜6本仕立て
子づるを畝の両側に3本ずつ等間隔(20p)に誘引する。
子づるの10節位までの孫づるは早めにつみとる。
交配・着果

 
子づるの13〜22節の2番花および3番花に着果させる。
1株3〜4果、10a当たり約1000果。
悪天候が続く場合は午前10時ごろまでに人工交配を行う。
摘果
 
子づる13節以内に着果したらすぐに摘果する。
2〜3番果の肥大の悪いものや奇形果は摘果する。
着果標識立て
 
着果が確認でき鶏卵大になったら遅れずに標識を立てる。
3日ごとに色分けした標識を立てる。
玉肥施用
 
1株に1〜2果着果したら外マルチの下に全面に施用する。
生育状況に応じて施肥量は加減する。
玉なおし
 
果径が10p程度になったら玉の前後のつるを持ち上げ、据え
直す。
シート敷き果径20p程度になったらスイカ用シートを敷く。
整枝子づるの葉の上に立ち上がる孫づるはつみとる。
排水対策



 
梅雨期は排水対策に注意し、随時溝さらえを行う。
疫病の発生原因となるのでマルチの上に水がたまらないように
気をつける。
つる先が排水溝の水たまりに入ったら、そのつるは切りとり、
ほ場の外へだす。

病害虫防除



 

疫病   ジマンダイセン(水) 500倍
炭そ病  ダコニールF(水)  700倍
アブラムシ  DDVP(乳)   1000倍
ダニ   ダニトロンフロワブルF(水)1000〜2000倍
 






 

必須防除時期
5月下旬トンネル除去時(10a当たり散布量100g)
梅雨初期(10a当たり散布量150g)
梅雨中期(10a当たり散布量200g)
梅雨末期(10a当たり散布量200g)
(注)交配時期は防除を避ける。

収穫




 

着果後日数、積算温度、試し切り等で完熟を確認して収穫する。
7月中旬収穫 着果後45日程度
7月下旬収穫 着果後40日程度 
積算温度   開花後950℃以上