たまねぎ
技術体系設定の前提条件
1.適応地域  県下全域
 
2.圃場条件  排水性、通気性の良い圃場。
    早生種:壌土〜砂壌土、晩生品種:粘質壌土〜壌土
 
3.輪作体系  水稲→タマネギ→キャベツ、はくさい等秋冬野菜
 
4.目標収量  4〜5t/10a 加工用10t/10a
 
5.標準的な作業時間 220時間/10a
 
6.栽培技術のポイント
 (1)早生〜晩生品種の利用による作期分散と長期出荷。
 (2)適期播種、適期・適苗の定植。
 (3)酸性に弱いので、石灰類で酸度矯正する。
 (4)根を広く張らせるために深耕を行う。
 (5)多肥栽培を避け、玉締まりの良いものを生産する。
 (6)3〜4月の肥大期の乾燥に注意する。
 (7)適期収穫(切り玉用:7〜8割倒伏、吊り玉用:5〜6割倒伏)
 
7.品種 はやて(タキイ)・ソニック(タキイ):切り玉用の早生種
  泉州黄・ターボ(タキイ):吊り玉用の中生種
  七宝甘70:加工用の中生種、大玉品種
  ※吊り玉用品種では甲高系品種が市場性が高い。
 
作業内容

















































































 

作業の種類

  技 術 内 容

播 種 期

早生種:9月上旬、中生種:9月中旬、中晩種生:9月中下旬

種子の準備

5dl/10a

播種床の準備












 

10aあたり50〜60uの播種床を準備する。
播種床は排水の良い圃場を選び、土壌消毒を行う。
播種床畝巾約120cmの平畦とする。
加工用は専用育苗箱を用いる。
 施肥設計例  (100uあたり)

 

 
 
 
 
 
 

肥料名

施用量

施用時期








 

堆肥
苦土石灰
CDU化成
過燐酸石灰
硫安
 

200kg
 20kg
 12kg
 10kg
0.2kg
 

播種2週間前
 〃
播種数日前
 〃
本葉2,3枚時
 

播 種



 

床面にばら播きし、5〜6mm程度の厚さに覆土し、充分潅水し
た後稲わらをかける。播種後7日後から発芽してくる。
発芽から小苗までは白寒冷紗でトンネルをし、こまめに潅水する
草丈5〜6cm、本葉2枚の頃に2×2cm間隔に間引く。
 

定植準備










 

浅根性だが深耕の効果は高いので、充分耕しておく。
畦巾は70cm。
肥料設計例(kg/10a)

 肥 料 名
 

全 量
 

基 肥
 

追肥
2月下

追肥
4月上

成 分 量








 

 堆肥
 苦土石灰
 ようりん
 リン加安44
 NK化成

2,000
 200
 40
 90
 30

2,000
 200
 40
 60
 




 30
 





 30



17

 



23

 



17

 

定 植










 

標準苗は育苗日数60日前後、100本苗重400〜500g、
葉数2.5〜3枚、草丈25cm、葉鞘径6〜8mmである。
抽苔の危険性があるので、標準苗を確保し定植する。
定植前日に苗床に充分潅水しておき、苗取り時に根が切れるのを
防ぐ。
植付け深は葉の分岐点より上に土をかけないよう浅植えにする(
深さ3cm程度)定植後は充分潅水して活着促進を図る。
条間20cm、株間10〜15cmの2条植(約25,000本/10a)
定植時期 早生種:10月下旬
  中生種:11月上旬〜中旬
  中晩生種:11月中旬〜下旬
加工用は機械定植を行う。

管 理






 

追肥:1回目の追肥は、畝肩に施用する。施用時期は2月下旬頃
 2回目の追肥は条間に施用する。施用時期は4月上旬頃。
 2回目の追肥時に窒素を多用すると貯蔵性が悪くなったり
 また、施用時期が遅れると収穫が遅れる。さらに、極端に
 施用量が少ないと抽台が多くなるので注意する。
中耕:追肥とあわせて行う。
除草:定植10日後頃にゴーゴーサン乳剤を散布する。
 1回目追肥時にトレファサイド粒剤を散布する。

病害虫防除










 

 べと病 リドミルMZ水和剤 500〜750倍
 白色疫病 サンドファンM水和剤 500〜700倍
   ジマンダイセン水和剤 800〜1,000倍
 黒斑病 ダイファー水和剤 400〜600倍
  ジマンダイセン水和剤 400〜600倍
 灰色腐敗病 トップジンM水和剤 1,500〜2,000倍
  スミレックス水和剤 1,000倍
 タネバエ ダイアジノン粒剤 4〜5kg
 タマネギバエ ダイアジノン乳剤 1,000倍
 ネギハモグリバエ ダイシストン粒剤  3〜6kg 定植時土壌
   エカチンTD  3〜6kg 混和する
 

収 穫


貯 蔵

 

切り玉用品種は茎葉が7〜8割程度倒伏した頃、貯蔵用品種では
5〜6割倒伏した頃に収穫する。
晴天を見計らって引き抜き、圃場で1〜2日乾燥させる。
圃場で1〜2日乾燥させて後、4〜5個程度を結束し、吊り貯蔵
する。