抑制スイ−トコ−ン
 
技術体系設定の前提条件
 
1.適応地域       県下全域
 
2.圃場条件       水田(湿田不可)、畑
 
3.輪作体系       転作小麦 → 抑制スイ−トコ−ン
 
4.目標収量       1,000kg / 10a
 
5.標準的な作業時間   73 時間   / 10a
 
6.栽培技術のポイント
 
   (1)7月下旬〜8月中旬は晴天が続き、ほ場が乾燥することが多いので、発芽
      は悪くなりやすい。畝立て直後は比較的土壌水分があるので、この時期を
      逃さずに播種し、発芽をそろえる。
   (2)8月10日以降の播種は収穫期に霜害を受けやすいのでよくない。
 
   品種   品種名 ピ−タ−610(サカタのタネ)
 
       解 説 バイカラ−品種。先端不稔、先端偏平が少なく、太りもよい。
 
作業内容
 




 

作業の種類

     技    術    内    容

播 種 期
 

7月20日〜8月10日
 




 






































 

作業の種類

     技    術    内    容

種子の準備

10a当たり 7,000粒  (1穴2粒まき)

定 植 準 備




























 

 麦収穫後、ほ場条件が良い時期に堆肥を散布し、よく耕運し
ておく。
 梅雨明け後、ほ場条件をみながら下記施肥設計例により基肥
施用し耕運する。
 畝立て直後に播種できるように、畝立て作業をすすめる。
 発芽を良くするため、土はできるだけ細かく砕く。

  ←-------- 200cm ----------→

 


 

 

 
    ← 60cm →   
      ←- 80cm-→
   

肥料設計例               (kg/10a)












 

肥  料  名
 

全量
 

基肥
 

追肥1
 

追肥2
 

成 分 量














 

完 熟 堆 肥

苦 土 石 灰

CDU S600

燐硝安加里
    S604
 

2000

100

 80

100

 

2000

100

 80

 30

 







 40
 







 30
 





13

16
 





8

10
 





8

14
 

 合  計
 

29
 

18
 

22
 

 

播   種
 

条間80cm、株間28cm。 1穴2粒ずつまく。
播種機を利用することもできる。
 






































 
 





































 

作業の種類

     技    術    内    容

管   理




























 

除 草:播種後、雑草発生前に除草剤を散布する。1〜2日後
    の天候にも注意し、大雨の降りそうな時は見合わす。

      サタ−ンバアロ粒剤   6kg/10a
  または
      サタ−ンバアロ乳剤 800ml/10a
      (水100リットルに溶かして散布する)

間引き:葉数3枚までに、生育の良い株を残し、他をハサミで
    切りとる。
    分げつは取らずに残す。分げつの葉が親茎の活動葉を
    陰にする場合には分げつ茎の中間で切り落とす。

除 房:1株に2〜3本の雌穂が着くが、一番上の雌穂の太り
    をよくするため、2番目の雌穂を取り除く(3番目は
    取らなくてもよい)。
    絹糸が出始めた頃が最も除房しやすく、葉の傷みも少
    ない。適期を逃したら、葉を傷めるので、除房しない
    方がよい。

追 肥:1回目/葉数4〜5枚時 条間に施す。葉にのらない
        ようにやること。追肥後、軽く中耕し、土寄
        せをする。深く中耕すると根を切ってしまう
        のでマイナスになる。
    2回目/雄穂抽出期 畝の肩に施す。

潅 水:葉数5枚以降、乾燥がひどい場合には畝間潅水する。
    排水の悪い水田では、速やかに水が抜けるようにして
    おかないと逆効果になる。
 

病害虫防除


 

病害:特に発生しない。長雨の場合には、すす紋病が発生する
   ことがある。

 

病害虫防除



















 

害虫:アワノメイガ、アワヨトウ

 抑制栽培では栽培初期から発生するので、葉数4〜5枚時か
ら防除する。
 また、雄穂に産卵されることが多いので、出穂する前から雄
穂にかかるように葉の中へ散布する(デナポン粒剤)。
 絹糸(めしべ)が出てからは、雌穂を中心に、株全体にかか
るように散布する。

  パダン水溶剤     700倍
  パダン粒剤4    4〜6kg トップドレッシング
  デナポン粒剤    4〜6kg 雄穂出穂前葉中へ
  トレボン乳剤    1,000倍

害虫:アブラムシ

 高温乾燥時に発生が多い。発生初期を逃さずに防除する。

   エルサン乳剤    1,000倍  
   アリルメ−ト乳剤  1,000倍
 

 収  穫




 

 絹糸が出て、約25日で収穫適期になる。絹糸が黒くなった
ら試しに収穫してみて、適期を逃さず収穫する。
 先端粒まで肥大し、かつ種皮が硬くならない時期である。夏
期の収穫に比べると、収穫適期はやゝ長い。
 鮮度を上げるため、10月上旬までは早朝収穫が望ましい。
 

後 始 末

 

 茎が緑色のうちにロ−タリ−耕を行うとすき込みやすい。枯
れてから耕運すると、うまく茎が切れない。