やまいも
 
技術体系設定の前提条件
1.適応地域       平坦地および中山間地
 
2.圃場条件       耕土が深く、よく肥えた壌土が適する
 
3.輪作体系       水稲−やまいも、ごぼう、大根−やまいも
 
4.目標収量       2t/10a
 
5.標準的な作業時間   310時間 /10a
 
6.栽培技術のポイント
   (1)品種の特性を備えた、無病の種いもを選ぶ
   (2)有機物の施用と深耕を行い、保水性と排水をよくする
   (3)乾燥に弱いため、敷わらとかん水を行う
 
7.品種 
   (1)長いも群   :草勢、耐病性は最も強く収量も高いが、水分が多く粘りが少ない
   (2)いちょういも群:長いもとやまといもの中間型。長いもに比べ草勢、耐病性は弱く、栄養変異を起こしやすい。
   (3)やまといも群 :草勢、耐病性はともに弱く、乾燥には最も弱い。長いもに比べ収量は低いが、水分が少なく粘りが非常に高い。
作業内容









 

作業の種類

     技         内    容

植 付 け 期

4月中旬〜5月中旬

種いもの準備



 

種いもの必要量  10a当たり
長いも:400kg いちょういも、やまといも:350kg
長いもは首の部分を小さ目に、下の方はやや大き目に80〜
120g程度に分割する。
 









 












































 

作業の種類

     技         内    容



 

いちょういもややまといもは、首の部分を除いて50〜70g
程度に縦割りにする。切ったいもは切り口が白く乾くまで陰干
しにする。

植付け準備











 

秋に堆肥、苦土石灰、BMようりんを、春先に鶏ふんを全面に
施用して深耕し、幅120cmの畦を立てる。
肥料設計例(kg/10a)









 

肥 料 名
 

全 量
 

基 肥
 

追肥
 

追肥
 

成 分 量









 

堆  肥
苦土石灰
BMようりん
鶏  糞
燐硝安加里
 

2000
 100
  40
 200
  60
 

2000
 100
  40
 200
  0
 




 
30
 




 
30
 




13
10
 




15
6
 




5
8
 

定   植
 

株間25〜30cmで長いもは1条、その他は2条に植える。
覆土は3〜5cm程度とする。

芽 か き
 

1つの種いもから出る芽は大きいものを1芽残し他は5月中に
に取り除く。

追   肥
 

第1回 5月下旬頃 芽伸長期
第2回 8月上旬  つるの伸長期

支柱立て

 

いちょういもは地這でもよいが、葉の受光面積を多くするため
に支柱を行う。長いもで2〜3m、いちょういもややまといも
は1.2〜1.8m程度の竹で合掌に組む。

敷わら、潅水

 

乾燥防止のため、稲わらや麦わらを畦上に敷く。特に、7,8
月の乾燥はいもの肥大不足や凹凸の原因となるので、日照りが
続く場合は畦間にかん水する。(夕方に行う)

病害虫防除
 

葉渋病 トップジンM水 1000倍 アブラムシ DDVP乳50 1000倍
炭そ病 ダコニ−ルF水 〃

収   穫


 

10月中旬から収穫期に入るが、充実したいもを収穫するには
11月頃に行う。収穫が早すぎるとアクが残る。