ミブナ

　　保水力があって排水良好、土層が深く、有機質の多い砂質～壌土が適する。

　　間口 5.4～6ｍのパイプハウス、鮮度保持用予冷施設　トラクター、管理機等

　　　地域固定種（生産者ごとに自家選抜してきた品種）

　　連作により地力消耗が大きいので、堆肥をほ場に入れて土づくりを心がけ、適切な水管理を行う。

① は種２週間前に灌水パイプ等を使って充分にほ場に水を打ち、トラクターがほ場内に入れるようになったら（灌水後、約１週間）、完熟堆肥と基肥をほ場全層に入れ、よく混ぜる。

② 施肥例　　　　　　　　　　　　　（kg/1,000㎡）

　　畝幅110～130cmになるように管理機を使って畝をたてる。ハウス１棟当たり４畝とする。

　　夏期は畝幅を90cmとしてハウス１棟当たり６畝とする。

　　１畝３条まきで条間20cm、株間15cmになるようには種　機を使用してまく。夏期は１畝２条で条間20cm、株間23cmにする。１点３粒程度落ちるように調整して点播きする。は種量は1,000㎡当たり３dl程度になる。

　　本葉が２～３枚目が展開したころに１本に間引く。

　　間引きの際に虫害（食痕）のない株を残す。

　　夏期は毎日夕刻に、秋から春は土壌水分をみながら朝　行う。

　　生育後半は葉を折らないように頭上灌水をやめ、通路に水を張って灌水する。

　　冬期には栽培期間が長くなるため、肥切れを起こして葉色が落ちることがある。その場合、肥料が直接葉にかかっても障害の出ない肥料は畝上に肥料をばらまく。葉にかかると障害がでる肥料は通路にまき、灌水しておく。

(ｱ)施設のサイドや入口に１～２㎜目合いの防虫ネットを張り、コナガ成虫の侵入を防ぐ。夏期はハウス内が高温になるので注意が必要である。

　等を行いできる限り農薬に頼らない防除を心がける。

　　コナガは薬剤抵抗性を獲得しやすいので、ローテーション散布を心がける。

　　農薬散布は、農作物病害虫防除基準に準じて行う

　　草丈が35～40cm程度になったら収穫する。夏期はとう立ちしやすいので早めに収穫する。

　　また、夏期は生育旺盛であるため、葉色が濃くなり過　ぎるのを防ぐために、収穫１週間前に寒冷紗をかけることもある。

　　調整作業に時間がかかるため、収穫は朝に行う。

　　収穫したミブナを作業場に持ち帰り、１株ずつ枯れ葉や根部の土を取って調整する。

　　調整後、６～８株を１束とし、１束２kgでＰＰテープで束ねて４束で箱詰めし、予冷庫に入れる。

　　採種は交雑を避けるために、ハウスの中で行う。

　　採種母本用に確保した種子を10月上旬には種し、11月中下旬に移植する。生育、葉の形質のよく揃った株を選抜し、生育の特に旺盛な株や生育遅れの株は避ける。

　　移植は幅約60cmの畝に、１条植え、株間50cmにする。

　　施肥は一般栽培と同様でよい。春にトウが立ち始めたら化成肥料を１株あたり約15ｇを追肥する。

　　６月頃、実が熟したら株ごと引いて乾燥させる。

　　乾燥後、棒などで叩いて種子を落とし、ふるいをかけて、冷暗所で保存する。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（冨岡　豊）