少量土壌培地耕装置

　

１. トマト・キュウリ用少量土壌培地耕栽培システム

　

(1) 装置前提

　　装置は養液循環式（閉鎖式）を基本とする。

　　ここではメイン養液タンクへの自動給水、養液自動混合、自動灌水を前提とした装置について説明する。

　

　　　図−１　少量土壌培地耕の構成

　

　

　　 　　 図−２　栽培ベッドの断面

(2) 必要資材

�@ メイン装置部材

　　　ｐＨコントローラー

　　　ＥＣコントローラー

　　　ベローズポンプ２連式

　　　ベローズポンプ１連式

　　　タイマー（サブタイマー付き）×２

　　　電磁弁（100Ｖ50ｍｍ）

　　　メイン養液タンク（1,500ﾘｯﾄﾙ 程度）

　　　原液タンク（200ﾘｯﾄﾙ ）×２

　　　水中ポンプ（100Ｖ、70〜200ﾘｯﾄﾙ ／分）

　　　フロートバルブ（20ｍｍ）

　　　渦巻き式ポンプ

　

�A ベッド装置

　　　ヌキ板（15ｍｍ×24ｃｍ×４ｍ、15ｍｍ×12ｃｍ×４ｍ）

　　　コンクリートブロック（15ｃｍ厚）

　　　ポリオレフィン系フィルム；ＰＯ（0.1ｍｍ×150ｃｍ×100ｍ）

　　　黒マルチフィルム（0.05ｍｍ×150ｃｍ×100ｍ）

　　　透明ビニルホ−ス（外径12ｍｍ／内径10ｍｍ）

　　　灌水チューブ（ベッドが長い場合100ｍ型）

　　　灌水チューブ用異径ソケット、ストッパー

　　　雨樋（幅75ｍｍ）

　　　樋用品（樋継ぎ手、樋止め、集水器）

　

�B 配管資材

　　　塩ビ管（ＶＰ50、ＶＰ25、ＶＰ20、ＶＵ40）

　　　塩ビ管継ぎ手（チ−ズ50・40・50／25、エルボ50・40・25、バルブソケット50）

　　　スリースバルブ（25）

　

�C その他資材、工事

　　　水田土壌

　　　モミガラ

　　　電気引き込み工事

　　　地下水打ち込み工事（含む揚水ポンプ）

　

(3) 整地

　　施行前にトラクタで耕起し、地面の水平と鎮圧を行う。

　

(4) ベッド位置および配管位置の決定

　　ハウスの間口に合わせ、ベッドおよびメインタンクの位置を決める

　（ベッド間隔1.7〜2.0ｍ）。

　　ベッド位置により、給液、排液の親配管の位置も決まるので、親管として給液側にはＶＰ50を、排液側にはＶＵ40を埋設する。

　　両管ともベッドの位置にチ−ズ50／25（給液側）チ−ズ40（排液側）を継いでおく。

　　端のベッドはエルボを使う。

(5) メインタンクの埋設

　　メインタンクへ排液が自然落下するように、地面より少し低く埋める。埋め込み後は水を入れておく。

　

(6) 黒マルチおよびＰＯの敷き込み

　　ベッド位置の下に黒マルチを敷き、その上にＰＯを敷く（各75ｃｍ幅）。フィルムは生地を1/2幅に切って使う。

　

(7) コンクリートブロックの設置（下図参照）

　　マルチ、ＰＯの上にコンクリートブロックを設置する。

　　ベッド位置の中央からそれぞれ５ｃｍずつ外にずらして、２列に並べる。

　

(8) 雨樋の設置　コンクリートブロックの間に雨樋を通しておく。

　　　（上から見る）　　　　　 10ｃｍ

　

　

　

４ｍ

　

(9) ベッドの設置

　 コンクリートブロックの上に　金具を利用して栽培ベッドを組　み立てる。

　

(10)排液用穴あけ

　　排液用に、ベッドの底面中央に、直径12ｃｍの穴を30ｃｍ間隔にあける。

　　この穴に透明ビニルホースを、適当な長さに切って、差し込む。

　

(11)ベッド内部のＰＯの敷き込み

　　ＰＯ（75ｃｍ幅）をベッド内に敷き込む。排液用の穴の部分を棒などで強く押して伸ばし、先を切る（ＰＯはいったん伸びると縮まずに、そのままの形を保つ）。

　　これにより、排液が横漏れせず、ホースをつたって樋に落ちる。

　

(12)メイン装置の設置

�@ メインタンク→渦巻き式ポンプ→ろ過器→電磁弁の順に、塩ビ管（ＶＰ50）でつなぐ。

　　この先を給液用の親配管（ＶＰ50）につなぐ。

　

�A 電磁弁にタイマーをつなぐ。

　

�B 排液用の親配管（ＶＵ40）をメインタンクにつなぐ。

　

�C ｐＨコントローラー（下限設定）とＥＣコントローラーにベローズポンプを結線する。　

　　ｐＨコントローラー側に１連式ベローズポンプを、ＥＣコントローラー側に２連式を結線する。

　

�D 原液タンク → ベローズポンプ、ベローズポンプ → メインタンクをホースでつなぐ（次図参照）。

　

(13)ベッド内へのモミガラおよび土の充填

　　ベッド内にモミガラを１〜２ｃｍの厚さに敷き詰める。その上に土を充填する。

　

(14)給液配管の立ち上げおよび灌水チューブの設置

　　各ベッドとも親管ＶＰ50にＶＰ25を継いで立ち上げる。ＶＰ25にはスリースバルブを取り付け、ベッド上部位置で切って、エルボをはめ込む。

　　このエルボに異径ソケットをつなぎ、灌水チューブを穴を下に向けてつなぐ。灌水チューブの先はストッパーで止める。

　

(15)雨樋の設置

　　ベッド下に通しておいた雨樋を傾斜をつけて吊って行く。

　　エクセル線やビニル紐を利用する。ベッド端で集水器を利用して排液用親管ＶＵ40につなぐ。

　

(16)メインタンクへの給水

　　地下水の揚水ポンプからメインタンクまで配管する。タンクへの給水口はＶＰ20に配管を細める。

　　タンクの70〜80％容量の位置に給水口を付け、その先にフロートバルブをつける。

　　メインタンクへの配管途中に蛇口を取り付け、原液タンクへの給水用に利用する。

　

(17)水中ポンプのセット

　　メインタンクの養液撹拌用に、水中ポンプをタンク内に入れ、本体をタンク底部に、吐出口をタンク上部にセットする。

　　水中ポンプにタイマーをセットする。

　

(18)渦巻き式ポンプの電源を入れ、スリースバルブを徐々に開け、ベッド全体にできるだけ均一灌水できるように水圧を調整する。