表面　　LL₀₁, LL₀₁, LL₀₁, A [ B, L, K, C ] D, LL₃, LL₂, LL₁
 裏面　　T , ST , DF [ CF, CIF, CI, C ] D, P , P , S
※　[ ] 内は滑尺 ずらし尺はπ切断

2009/01修正　2008/12修正　2008/12作成

2008/12/08keisanjyakuグループにＹＯＳＨＩさんの投稿がありました。
バングラデシュでHOPE製計算尺を発見したという知らせです。今回現物を提供いただいたので、公開いたします。

ご存じの通りHOPE計算尺は輸出専用のブランドだった可能性が高いもので、日本国内で見つかることはまずありません。SLIDE RULES their History,Models,and Makers を紐解きますと、HOPEはNo.51、No.54、No.57　が報告されているだけでした。
ネットを漁るとThe Collection of Calculating Devicesの中にHOPEのNo.530がありました。SlideruleMusiumの中にもHope 65-G P147がありました。あとはじぇいかんさんの所のHOPE No.93と言ったところです。なかなか無いですね。

じぇいかんさんが「山梨の技研系の製造メーカー」を指摘されていて、ＹＯＳＨＩさんも同じ事を指摘されています。確かに全体の印象は技研系です。
HOPEが何年から何年まで製造していたのかわかりませんが、本体に色を付けていないところを見ると、こいつは70年初頭よりは遡れそうです。

「precision slide ｒule」ですから「高精度計算尺」といったところでしょう。
尺の配置がなかなかユニークで、尺の配置はオリジナルなのかどこかのパクリなのかと思い探していますが、それらしいものがわかりません。そのうちにYOSHIさんからFlying Fish 1001とそっくりという情報が入ってきました。なるほどこりゃそっくりです。これがHOPE No.530のパクリだとしたら、オリジナルの方は1978年以前の物だと言うことになります。少なくとも30年は前の物です。
そうこうしていると、norihito4さんから「Polymath Duplex 10inch とそっくり」という情報が入ってきました。
さらにcyno_yさんからはInternational Slide Rule Museumにある、Aristo 0968 Studio - V2 として掲載されている物が、かなり似ているという情報もはいりました。どうやらこれがオリジナルのようです。

norihito4さんの捜索でRon Manley's Slide Rule SiteにARISTO STUDIO 0968 のドイツ語版のマニュアル（テキスト+スキャン図）があると報告されています。どうやら、HOPE 530 のマニュアルは単に ARISTO の英語版マニュアルに"HOPE" を張り付けた可能性が大です。

このHOPE No.530、型番などを書いている面がブラケットのある方になっています。HEMMI No.P253やHEMMI No.P261では逆です。FUJI No.1280-SやFUJI No.330-Dでも同様です。何か意味があるのかどうかはわかりません。
でもロゴや型番を書くスペースは他に十分にありますねぇ。中尺違いのモデルがあった可能性もあります。
ブラケットの形は、技研系の形に一ひねり入れています。

気になったところでは、カーソルのネジがプラスネジだったというところです。マニュアルではマイナスネジのカーソルが示されています。The Collection of Calculating Devicesの中にHOPEのNo.530の方にあるモデルはカーソル形状が違いますし、３本線カーソルです。これは交換された可能性もありますので要確認です。
外箱は完全にNo.530専用ですね。流用のしようがありません。

取説にはなかなか面白い記載があって、ＹＯＳＨＩさんが気付かれています。また別途紹介させていただきます。