ワイヤーガイド式くくりワナの作り方 前編 (c)2015 kimura


がっちりくくったくくりわな

くくりワナってどんなもん?

 くくりワナは狩猟の一手法です。
 狩猟といったら猟銃でバンバンという銃猟のイメージが強いと思いますが、銃猟の他にもワナ猟やアミ猟もあります。ワナ猟でも箱ワナとくくりワナがあります。

 銃猟は結構規制が厳しく、住宅地ではもちろん発砲できませんし、場所も限られます。ワナ猟は銃猟よりはずっと規制がゆるいので、農地の近くなどでも設置可能です。もちろん事故には十分注意が必要です。

 ワナも大別して、箱ワナとくくりワナがあります。
 箱ワナはエサでケモノを誘き寄せて檻の中に閉じ込めるワナ、くくりワナはばねとワイヤーを組み合わせて、ケモノの足をくくって獲ってしまうワナです。
 箱ワナは市販品ですと10万円ほど、くくりワナだと市販品で数千円です。
 狩猟ですとワナは30基まで認められていますが、箱ワナを30基揃えるのはコスト的に難があります。その点、くくりワナだと30基でも数万円で作成できます。
 箱ワナを移動させるのは一仕事ですが、くくりワナは簡単です。
 箱ワナ、くくりわなそれぞれ一長一短ありますが、簡単なくくりワナでも十分実用になります。

 でもいくらワナが作れても、勝手にケモノを獲ってはいけません。勝手に取れるのは一部のネズミとモグラくらいです。
 狩猟免許を取って狩猟者登録を行い猟期に狩猟を行うか、有害捕獲なり学術捕獲などの「許可捕獲」を行うかですね。何かと法規制の多いところですから、とにかく勝手にやらないこと。これは大事です。
 あと保険はしっかり入っておきましょう

 さてと、ここではワナ猟に使うくくりワナの作り方の一例を紹介します。
 これが今回紹介するくくりワナです。

 くくりワナでも松葉ばね式や引きばね式などいろいろなタイプがあります。 これは押しばね式横弾き型ワイヤーガイドが付いている物です。

 ワイヤーガイドの分だけ高い位置をくくるので、捕獲の確率が上がります。
 また、常時押しばねが効いていますので、戻り止めの金具は不要です。

 なんといっても踏み板そのものがトリガーになるので、構造はいたってシンプルです。
 動作のイメージはこんな感じです

まずは材料から

用意するもの

品名 規格 数量
ワイヤー φ4mm 6x24  210cm
ワイヤー φ4mm 6x24 (6x19) 90cm
塩ビパイプ VP13  20cm
塩ビパイプ VP13  30cm
塩ビパイプ VP20 20cm
塩ビキャップ TSC13 1個
塩ビキャップ TSC20 1個
接着剤 塩ビ用 少々
平ワッシャ M6X13X1.0 2個
締め付け防止金具   1個
ワイヤー止め   1個
よりもどし   1個
シャックル   1個
スリーブW 4mm用 4個
押しバネ φ12mmX2000mm 半分
シナ合板 14cm×16cm 1枚
アルミアングル 19×19×1.0mm 6cm
トラスネジ M5 12mm 6本
スリムヘッド M5 15mm 4本
ナット M5 14個
ワッシャ M5 14個

 赤文字は手に入れにくい材料です
この他に、工具類が必要です
ワイヤーカッター スエージャー レンチ 電動のこ・ドリル・グラインダ ドライバ(+) テープ等です。

それでは製作してみましょうか

パイプ部分の製作
この工程は非常に楽です

[パイプ1]
 TSC20の真ん中にφ5mmの穴を開け、VP20に接着します。  
接着剤は塩ビ用を使います。
[パイプ2]
 TSC13は真ん中にφ5mmの穴を開け、VP13に接着します。


パイプは入れ子構造になるようにしています。


穴にはワイヤーを通すので、5mmは必要になります。

結構匂いも残るので、シーズン前に作成するよりは、早めに作って匂いを抜いておいた方がいいです。
まぁ奴らは気づいているんでしょうけどね。
ワイヤの製作
 狩猟に使うくくりワナのワイヤーは、4mm以上でなければなりません。このワナでは210cmと90cmの2本を使います。
 90cmのほうで樹に留めるわけですが、これでだいたい直径25cmくらいの樹まで対応します。
  5cm以下の樹だと、イノシシが掛かったら耐えない恐れが大です。ケガしたくなかったら10cmよりは太い樹にしたほうが身のためです。
 もっと太い樹じゃないと駄目って時のために、もう少し長めのものを作っておくのもアリですし、補助ワイヤーを作成して延長するのもアリです。
 接続部分は少ないほど良いので、長めにワイヤーにしておいた方が無難といえば無難ですが、長くなればそれだけくくった後に動ける範囲が広がります。


 ワイヤーは6x24を入手してください。6x19は入手しやすいのですが曲がりにくいものです。止め木のほうに使うには良いでしょうが、くくりの部分にはお勧めしません。 
 右の写真の上が6x19、下が6.24です。しなやかさが全然違います。

 ヤフオクで常時くくりワナ用のワイヤーを出品している方がおられますので、手に入らないときはそちらを探してみてください。

 他にも7x24とかポリ芯とかいろいろあります。最初に手に入れた6x24がこいつだったので、以来これを使っています。

 ワイヤーは切断部分にセロテープを巻いてからワイヤカッターで切ると切り口が解れずに作業しやすくなります。
 ニッパやエンドカッターなどでは切り口がほつれて、後の作業が厄介です。

いろいろ細かいパーツが必要ですがどいつもこいつも探すとその辺では売っていません。
ここではオーエスピー商会で扱っているパーツを使用しています。まぁあまり商売っ気がないので、メールしても返事が無いかもしれません。電話かFAXで問い合わせてみてください。

締め付け防止金具 Wクランプ ワイヤー止め よりもどし


 スプリングもいろんな規格がありますが、ここでは押しばねを使います。
先に紹介したオーエスピー商会の物で、押しばねでVP13のパイプの中に納まるφ12mmのばねがあります。ステンレス製なので何かと便利です。
 2000mmのもので、全圧縮すると600mmになるので、これを半分にして使用しています。


ワイヤーカッター


カシメ用のスエージャー


[ワイヤ1]

 210cmのワイヤーの端を小さなループにして、Wクランプでカシメます。

 締め付け防止金具を通して、反対の端を小さなループに通し、平ワッシャを入れます。

言葉で書くとややこしいですが、要するに端っこを輪にして、その中にワイヤーを通す。それだけです。

締め付け防止金具と平ワッシャを入れ忘れる無いように。
[ワイヤ2]
 90cmのワイヤーの両端をループにして、Wクランプでカシメます。片方にはより戻しを通しておきます。

このワイヤで樹に止めるわけです。
長さ90cmですが、輪っかを作る分短くなって、シャックルの分は長くなりますので、だいたい直径25cm位の樹まで対応してます。 

あとはパーツを組み合わせるだけ。

[ワイヤ1]を[パイプ2]のキャップ側から通します。押しバネを入れて、パイプ2を通します。



 ワイヤに平ワッシャとワイヤー止めを通します
 ワイヤ2のより戻しにワイヤ1の端を通してループを作り、Wクランプでカシメます。
これでワイヤー部分は完成です。カシメ忘れの無いようにチェックしておいてください。
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