@耕土が深い:野菜の種類により根張りの深さは異なりますが、有機物の施用と深耕で、根が自由に入れる軟らかい土を作ります。耕土が浅い場所では客土も必要です。
A通気性、保水性(水もち)、排水性(水はけ)が良く、乾湿の差が少ないこと:根は水と酸素と肥料分を必要とするため、適度な水分と空気、肥料分を保持できる土が適します。水はけの悪い畑では、排水溝を掘り、高うねにします。
B肥沃で養分に過不足がなく、土の酸度も適正なこと:野菜が健全に育つためには、窒素、りん酸、カリをはじめたくさんの要素が必要で、しかもそれぞれの要素が多すぎても少なすぎてもいけません。また、土の酸度はpHという単位で示しますが、多くの野菜はpH6.0〜6.5前後で良く育ちます。園芸店で安価なpH試験紙が売られていますので、一度畑の土を計ってみましょう。
C土の中に病原菌や害虫がいない:連作(同じ種類の野菜を続けて作る)をできるだけ避けて、土壌伝染性の病害虫が発生しないように気をつけます。発生したら被害株の除去や消毒が必要です。
土にもいろいろな顔がある −土の種類−
ひと握りの土にもいろいろな性質があり、自分の菜園の土を知ることは大切です。ここでは、土の粒子の大きさでいくつかの種類に分けてみましょう。
それぞれの野菜にどんな土が適するかは、本文中の「適地」の項を参照ください。
@砂土:ほとんどが砂ばかりに感じるもの。排水が良く地温も高まりやすいが、肥もちや水もちが劣ります。粘土を客土すると良い土になります。
A砂壌土:肉眼および手ざわりで認められる砂が、ほぼ全体の1/3〜2/3を占めるもの。砂土と壌土の中間的な性質で野菜の生育もよく、多収が望めます。
B壌土:砂の含量がほぼ1/3以下のもの。肥沃で排水性・通気性も良く、野菜づくりに適しています。
C埴土(粘質土):粘土が大部分を占めるもの。肥沃ですが、排水性や通気性がよくない傾向にあります。有機物を多く施用すると改善されます。
堆肥は畑の漢方薬 −有機物の施用− 菜園の土づくりに有機物の施用は欠かせません。堆肥やきゅう肥等の有機物は土の中で分解しながら「腐植」という物質に変わり、次のように土を改良し野菜の生育を助けます。
@土の粘土粒子を結びつけ、小さな団子状(団粒構造)にしてすき間をつくり、空気の通りや水はけ、水もちを良くします。また、土をぼう軟にします。
A土中で徐々に分解し、作物に必要な養分を供給します。
B保肥力を高め、肥切れや肥焼けを起こりにくくします。
C土壌中の有害物質の害をやわらげ、リン酸や微量要素を吸収しやすくします。
D多様な微生物、小動物が増加し、有害病原微生物の増殖を抑制します。
ただし、未熟な堆肥の施用は、作物の生育に害を及ぼすことがあるので、作付けの1カ月以上前に施すなど、注意が必要です。
生ゴミは貴重な有機資源
「母なる大地」、「大地の実り」と言われるように「土」はすばらしい性質を持っており、良い土は豊かな実りを約束してくれます。土づくりは野菜づくりの第一歩であり、日頃の努力の成果がきっと収穫の喜びとなることでしょう。
健康野菜は健康な土から −良い土とは− 野菜づくりに適した土とはどんな土か、いくつかの条件を考えてみましょう。
台所から出る生ゴミを畑に戻してやることは、ゴミ問題を解決する上でも重要です。生ゴミから堆肥を作る方法としては、コンポスター(写真)を設置する方法が一般的です。生ゴミは、ビニールなど腐らないものを取り除いてよく水を切ります。これをコンポスターの中に投入していくだけですが、時々米ぬかや落ち葉、刈り草などを加えてやると良い堆肥ができます。ある程度一杯になったら、コンポスターを移動し、出てきた堆肥にはビニールをかぶせて雨をよけ、さらに発酵させます。この生ゴミ堆肥はまだ半熟な場合が多いので、は種や定植の1カ月くらい前に、うねの中央に溝を掘って、底に埋めて利用するのが安全です。

土づくり肥料の施用 −石灰、苦土、リン酸− 露地畑では石灰分が雨で流されやすく、また野菜は石灰を比較的多く吸収するので、何作か作っている間に土は酸性化してきます。そのため、石灰質肥料を施用して、土の酸度を調整し、石灰分を補給してやる必要があります。また、施用しても野菜に利用されにくい形に変化しやすいリン酸や不足しやすい苦土、微量要素の補給も重要です。そこで、土づくり肥料として、苦土石灰やBMようりん(りん酸、アルカリ分、苦土、ほう素、マン
ガンを含む)を施用します。 石灰資材は窒素肥料や有機質肥料といっしょに施すとガスを発生して、害を与えたり、窒素分が逃げたりするので元肥を施す前に土と良く混ぜておきます。また、土づくり肥料や化学肥料等のむやみな多施用は、野菜や土にとってむしろ害になることが多く、注意が必要です。施肥した日付や量を記録しておくと後ほどの参考になります。
酸性土に弱い野菜(pH6.5〜7.0)
エンドウ、ホウレンソウ 酸性土にやや弱い野菜(pH6.0〜6.5)
キュウリ、メロン、トマト、ナス、ピーマン、オクラ
エダマメ、インゲン、ハクサイ、ネギ、タマネギ
レタス、サラダナ、セロリ、チンゲンサイ、タアサイ 酸性土にやや強い野菜(pH5.5〜6.5)
キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、コマツナ
ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ、ミツバ、シュンギク
スイートコーン、カボチャ、シロウリ、スイカ、ミョウガ 酸性土に強い野菜(pH5.5〜6.0)
ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ショウガ